特集:ニュートリノの物理学
反物質が消えた謎 米国が挑むDUNE実験

C.モスコウィッツ(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)
201712

日経サイエンス 2017年12月号

10ページ
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 ニュートリノは,存在が知られている素粒子の中で最も理解が進んでいない粒子だろう。電荷がなく捕捉しにくいニュートリノは,他の粒子とほとんど相互作用しないため,かつては質量ゼロだと考えられていた。現在ではきわめて小さな質量を持つことがわかっているが,その質量獲得の仕組みは謎のままだ。現在建設中のDUNE実験は,イリノイ州から発射したニュートリノビームを1300km離れたサウスダコタ州で検出するという野心的なプロジェクトだ。 ニュートリノは長距離を飛行する間に種類が変わる(ニュートリノ振動)。この奇妙な挙動を調べることで,ニュートリノの質量の起源やその他の難問を解明できると期待されている。