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第76回 細胞たちの“声”を聞き身体の成り立ちを解き明かす:高橋淑子

詫摩雅子(科学ライター)
201801

日経サイエンス 2018年1月号

4ページ
( 1.9MB )
コンテンツ価格: 509

たった1個の細胞である受精卵から身体ができあがっていくとき
細胞たちはさかんに“会話”をかわす
その声を聞きながら,秩序ある“細胞の社会”の成り立ちを探る

 2017年4?6月に国立科学博物館(東京・上野)で,発生学をテーマにした企画展が開かれた。内容は発生生物学の最新の知見に触れる学術的にもハイレベルのもの。一般にはあまりなじみのないテーマだったが,科博で開催されたこの規模の展示としては過去最高の22万4000人を超える入場者数を記録した。この企画展を「やりたい」「やる」と言い出し,所属する日本発生生物学会に働きかけたのが京都大学教授の高橋淑子である。(文中敬称略)