特集:性とジェンダーの科学(後編)
男女関係の神話

C. ファイン
M. A. エルガー(ともに豪メルボルン大学)
201801

日経サイエンス 2018年1月号

6ページ
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 古典的な進化論的説明によると,男女の行動の違いは進化の過程で獲得した動物全般に見られる行動パターンを反映している。この見方によれば,多くのジェンダーギャップは“自然”だ。例えば男性は向こう見ずで多くの女性と関係を持ちたがるといわれるが,これは男性が生殖能力を最大限に引き出すためにリスクを顧みず競争心旺盛になったと考える。だが,この説明の基礎をなす仮定の多くが間違っていることが近年の研究で示された。また,進化を通じて獲得された行動の発現に環境要因が重要な役割を果たすことがある。