特集:糖尿病と戦う新戦略
1型糖尿病ワクチン
衛生仮説が示す可能性

K. M. ドレッシャー(クレイトン大学)
S. トレイシー(ネブラスカ大学)
201804

日経サイエンス 2018年4月号

6ページ
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 1型糖尿病は2型と違って食事とは無関係に発症し,遺伝的要因と環境要因の両方が関与している。先進国では衛生設備の改善につれてポリオや1型糖尿病など特定の疾患の罹患率が上昇した経緯がある。これは幼少期に病原体に曝露する機会が減り,免疫系が育たなくなったとする「衛生仮説」で説明可能だ。実際,未処理の下水中によく見られるある種のウイルスは,感染時の年齢に応じて1型糖尿病の発症を助長したり予防したりするようだ。こうしたウイルスに基づいてワクチンを作れば,1型糖尿病の遺伝的リスクを持つ人の発症を予防できる可能性がある。