異常気象の多発を読み解く

M. E. マン(ペンシルベニア州立大学)
201907

日経サイエンス 2019年7月号

8ページ
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ジェット気流が大きく蛇行すると,夏場の豪雨や熱波につながる。この蛇行パターンが停滞すると,そうした悪天候が何日も続く。ジェット気流の蛇行が大気の共振によってどのように増幅されて異常気象がさらに悪化するのか,量子力学で用いられている「WKB近似」という数学的解析手法によって説明できる。「ロスビー波」という大気の振動が一種の共振によって増幅し,蛇行ジェット気流の停滞を招くことが示された。2050年ころまでは石炭火力発電所から排出されるエアロゾルがこの悪化を抑えるが,脱硫装置の設置が進むにつれ再び悪化するだろう。