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第94回 惑星形成の謎を解き生命の起源に迫る:坂井南美

小玉祥司(日本経済新聞編集委員)
201909

日経サイエンス 2019年9月号

4ページ
( 1.3MB )
コンテンツ価格: 509円 (10%税込)

惑星がどのように誕生したのかを研究
電波望遠鏡と物質科学の知見を駆使して
宇宙を舞台として生命の起源を捉え直そうとしている

 太陽系のような惑星系は,宇宙のどこでも同じ道筋を辿って形成され,同様の物質からできているーー。そんな常識を覆し,惑星に至る道筋が多様なことを発見したのが理化学研究所主任研究員の坂井南美。これまで運動や構造といった物理的観点が中心だった惑星系形成の研究に,物質の種類などの化学の視点を持ち込み,「生命はどこから来たのか」という問いにまで迫ろうとしている。(文中敬称略)