特集:真実と嘘と不確実性
過剰な心配,過小な心配
リスク判断の心理学

B. フィッシュホフ(カーネギーメロン大学)
201912

日経サイエンス 2019年12月号

6ページ
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 私たちは日常生活で直面しているリスクをどれくらい正確に理解しているのだろうか。

 人々に溺死や肺気腫,殺人などによる年間の死者数を見積もってもらった調査によると,私たちは殺人や竜巻などの人目を引く,あるいはよく報道される死因のリスクを過大評価し,卒中や喘息など,あまり注目されない死因のリスクを過小評価するようだ。また,別の調査によると,人々は原子力など大惨事を広範囲に引き起こす可能性のある技術のリスクを専門家よりも高いと判断する傾向にある。非専門家は,非常に悪い事態がある年に起こりうる可能性を重視しているのだ。