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30万人超の死者が発生するとされる南海トラフ地震
最新の地震学の知見から直前予知は不可能と考え防災対策の転換を主導
研究で地震の姿を明確にして,事前の備えに努めることを訴える
西日本の太平洋沿岸でマグニチュード(M)9級の南海トラフ地震の発生が懸念されている。政府の想定によれば死者は最悪32万人,経済被害220兆円に及ぶ巨大災害になる。海洋研究開発機構(JAMSTEC)地震津波予測研究開発センター長の堀高峰は,その発生を予測する研究に1990 年代末から携わってきた。「直前予知は不可能だが,長期的な予測によって被害を減らせる」と考え,シミュレーションを駆使して詳細な地震像を描こうとしている。(文中敬称略)