特集:アルツハイマー病
発病の謎を解く新たな視点

K. S. コシク(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)
202011

日経サイエンス 2020年11月号

8ページ
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 最初に報告されてから100年以上がたつのに,まだ認知症状を改善できる薬はできていない。アルツハイマー病患者の脳の目立った特徴である老人斑をつくるアミロイドβを標的にした抗体医薬がいくつか作られてきたが,認知症が進むのを食い止められずにいる。もう一度,基本に立ち返ってこの病気の発症メカニズムを解明するべきだろう。本稿では取り組むべき5つの視点を取り上げる。異常なタンパク質を取り除く仕組みの機能不全,タンパク質の細胞内での相転移,脳での免疫反応の結果に生じる炎症,個々の遺伝子の変異の影響度,ニューロン間の信号伝達の異常の5つだ。