特集:アルツハイマー病
発症を抑える治療を目指す

西道隆臣(理化学研究所脳神経科学研究センター)
202011

日経サイエンス 2020年11月号

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 患者の脳には,老人斑という目立った特徴がある。これを形成する異常なタンパク質「アミロイドβ」を取り除くことを目的とした抗体医薬がいくつも開発されたが,結果は芳しくない。著者らは,蓄積が進んで凝集し,硬い老人斑になる前に,アミロイドβの分解を促そうとしている。アルツハイマー病では,実は軽い認知症状が表れる前から,アミロイドβの蓄積が始まっている。この段階で蓄積を抑えることができれば,発症前にアルツハイマー病を食い止める「先制医療」になりうるだろう。