特集:科学の近代史 発見と過ちの175年
人類の起源を求めて 様変わりした進化史

K. ウォン(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)
202101

日経サイエンス 2021年1月号

8ページ
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 チャールズ・ダーウィンは著書『人間の由来』(1871年)の中で,現存する人間はすべて同じ種に属し,複数の人種は1つの祖先種から派生したと述べた。この考え方は当時受け入れられず,人種的優越性を裏付ける理屈として利用されたこともあった。その後,化石の証拠やDNA解析の結果から,現在のヒトの遺伝的バリエーションは集団間の違いを示すものではなく,集団間よりも集団内のバリエーションのほうが大きいことがわかった。アフリカに出現したヒトという種は,世界中に拡散し複数の集団として定住する過程で継続的にまじりあってきたのだ。新たな化石の発見はいまも続いており, DNA解析によって祖先の活動の痕跡を探る研究も行われている。