天然ガス供給網を利用する 脱炭素社会への近道

M. E. ウェバー(テキサス大学オースティン校)
202110

日経サイエンス 2021年10月号

8ページ
( 2.9MB )
コンテンツ価格: 611

社会の二酸化炭素(CO2)排出を減らすには,エネルギーシステムをできるだけ速やかに脱炭素化する必要がある。メタンを主成分とする天然ガスは燃焼によるCO2排出が比較的少ないが,ゼロではないので長期的な解決策にはならない。一方,社会には天然ガスを利用・供給するインフラがすでに整っており,その資産価値は膨大だ。これを廃棄するのではなく,むしろ利用して社会の脱炭素化を進める方策が考えられる。天然ガスから炭素を取り除くかガスを別の物質に変えて,正味の炭素排出量をゼロにする技術はすでに存在している。