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物理学賞:気候変動の「複雑な正体」に挑む 吉川和輝(日本経済新聞) 協力:野沢 徹(岡山大学)
物理学賞:乱雑さに潜む法則を解明 古田 彩(編集部)
生理学・医学賞:温度受容体と触覚受容体の発見 出村政彬/古田 彩(ともに編集部)
化学賞:金属を使わずに不斉合成 古田 彩(編集部)
2021 年のノーベル物理学賞は,複雑な物理系の理解に貢献した米国の真鍋淑郎氏とドイツのハッセルマン(KlausHasselmann)氏,イタリアのパリージ(Giorgio Parisi)氏に授与される。真鍋氏とハッセルマン氏は地球全体の気候をシミュレーションする気候モデルを構築し,二酸化炭素の排出によって温暖化がどれくらい進むかを予測した。パリージ氏はランダムな相互作用が働くシステムに生じる乱雑さを「レプリカ対称性の破れ」という概念によって解明し,統計力学のほか情報科学や生物学など幅広い分野に影響を与えた。 生理学・医学賞は,人間が温度や痛み,機械的刺激を感じる時のセンサーとなるタンパク質を発見した米国のジュリアス(David Julius) 氏とパタプティアン(Ardem Patapoutian)氏に贈られる。 化学賞は互いに鏡像の関係にある化合物の一方だけをつくる不斉合成のための有機触媒を開発したドイツのリスト(Benjamin List)氏と米国のマクミラン(David MacMillan)氏が受賞する。