フロントランナー挑む 第132回 次世代太陽電池の普及へ 技術基盤の整備に注力:村上拓郎

青木慎一(日本経済新聞編集委員
202302

日経サイエンス 2023年2月号

4ページ
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日本で発明されたペロブスカイト太陽電池
課題の耐久性向上へ新材料開発に取り組む
専用設備を整え実用化へ研究を加速させる

 ペロブスカイト太陽電池は脱炭素社会実現のカギを握るキーテクノロジーだ。現在の太陽電池が抱えるコストや設置場所の制限といった問題を解決できる。開発した桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力はノーベル賞の有力候補と目される。弟子で産業技術総合研究所・有機系太陽電池研究チーム長の村上拓郎は,ペロブスカイト太陽電池が注目されるきっかけを作った1人だ。「雑草派」の研究者は実用化に向けて精力的に取り組む。(文中敬称略)