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約30万種といわれる植物の中には,光合成をやめて植物らしさを捨てた植物さえいるという。菌類から一方的に栄養を奪い,競争相手が少ない森の暗がりに進出することに成功した。こうした大胆な進化を実現するには多くの壁がある。葉を退化させるだけではなく,菌類をだます能力の獲得も不可欠だ。花を訪れる昆虫たちのにぎわいとは無縁の世界のため,花粉を運ぶには別の方法を考えなくてはならない。
なぜ植物はこれほどまでに多様なのか。したたかに生育域を広げてきた光合成をやめた植物は,多様性が生まれる原動力を探るヒントになりそうだ。この不思議な生態に迫り,新種も相次ぎ発見している神戸大学の末次健司教授に聞いた。