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2017年のノーベル生理学・医学賞「概日リズムをつかさどる分子的な仕組みの解明」( 2017-10-01 )

収録記事
1995年6月号「動物の行動をつかさどる遺伝子」R. J. グリーンスパン
2000年6月号「生物時計を動かす遺伝子」M. W. ヤング
2015年5月号「体のあちこちで働く末梢時計」K. C. スンマ F. W. テュレック

 2017年のノーベル生理学・医学賞は「概日リズムをつかさどる分子的な仕組みの解明」で米国のホール,ロスバシュ,ヤングの3氏に授与される。生物時計に関する理解を大きく進展させた研究を知るための記事をピックアップした。
 「生物時計を動かす遺伝子」は受賞者の1人であるヤング博士が自らの研究を紹介した記事。実際にどんな実験をして謎解きに挑んだかを生き生きと述べている。per 遺伝子とtim 遺伝子,そしてそれらが作り出すタンパク質がどのように働いて概日リズムを生み出すのか,受賞業績を知るのにまさにお薦めだ。
 「体のあちこちで働く末梢時計」を読むと,その後の研究の進展や体内時計と私たちの健康の関連を理解できる。概日リズムをつかさどっているのは脳の視交叉上核という領域だが,実は人体の様々な臓器にそれぞれの時計があって,これらの末梢時計が脳の“親時計”によって調節されている。
 「動物の行動をつかさどる遺伝子」は受賞3氏の研究を導いた前史に関する記事だ。概日リズムに関与する遺伝子の存在が示されたのは,ショウジョウバエの行動と遺伝子変異を関連づけた1970年代初めの研究。3氏の業績はそれらの遺伝子を実際に突き止めて機能を明らかにしたことで,動物の行動と遺伝子の関係を追究した先人の研究がもとになっている。この記事はそうした大きな研究潮流を解説しており,受賞3氏の取り組みにも触れている。

2017年10月24日まで,キャンペーン価格3本セットで300円
※キャンペーンは終了しました。個別の記事は引き続き通常価格でお求め頂けます。
生物時計を動かす遺伝子
日経サイエンス
2000年6月号 / 016ページから
体のあちこちで働く
末梢時計

日経サイエンス
2015年5月号 / 078ページから