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言語学から人類を知る( 2018-09-03 )

【収録記事】
消滅する言語」W. W. ギブス,2002年11月号。
言語学バトル 印欧語族の起源をめぐって」,M. バルター,2016年9月号。
チョムスキーを超えて 普遍文法は存在しない」,P. イボットソン/M. トマセロ,2017年5月号。
口笛言語」,J. メイエ,2017年5月号。
鳥やイルカ,サルなど,鳴き声や身振りでコミュニケーションする動物はいるが,込み入った意味を伝える言語を操るのは人間だけだ。言葉の不思議から,人間という少々特別な動物について考えてみよう。
 あなたが普通に話しているのは,おそらく日本語。英語もそこそこいける。大学で第2外国語を学んだ人は多いだろうし,近年は韓流ドラマを字幕モードで観賞して韓国語に親しんでいる向きもあるようだ。数え方にもよるが,世界には約6000の言語があるとされる。ただし大半は少数言語で,衰退の一途。「消滅する言語」はその状況をリポートする。
 日本人が外国語に苦労するのは,そもそも日本語がちょっと特殊なためかもしれない。英・独・仏語にイタリア語,ポルトガル語,ロシア語などなど,世界人口の半数近くは「インド・ヨーロッパ語族」に属するよく似た言葉を話している。そのおおもとはインド・ヨーロッパ祖語という古代言語だ。「言語学バトル 印欧語族の起源をめぐって」は,この祖語がいつどこで成立したのかを探る最新の研究を紹介。
 通常の話し言葉を口笛で表現して伝える文化があることをご存じだろうか? 「口笛言語」はこの文化が世界各地の小集団に存在することを再発見し,その起源に迫ったユニークな研究だ。
 幼児が自然に言葉を話せるようになるのはなぜ? すべての言語に共通する基本的な文法が人間に刷り込まれているから,というのが言語学の巨人チョムスキーが提唱した考え方だが,「チョムスキーを超えて 普遍文法は存在しない」は子供の学習など認知科学の成果をもとに,この説に大きな疑問を投げかける。

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