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人工知能の歴史と今( 2019-12-06 )


【収録記事】
「チェスを指す機械」,C. E. シャノン,別冊216『AI 人工知能の軌跡と未来』。SA1950年2月号。
「コンピューターはチェス名人に勝てるか」,許峯雄/T. アナンサラマン/M. キャンベル/A. ノバジク,日経サイエンス1990年12月号,
爆発的に進化するディープラーニング」,Y. ベンジオ,2016年9月号


 本誌最新号(2020年1月号)の特集「AI 人工知能から人工知性へ」は急速な進化を見せるAIの姿をリポートしている。AIの実像と将来の可能性をさらに深く理解するには,ここで過去半世紀の流れをもういちど振り返ってみるのがよいだろう。本誌のアーカイブからおすすめ記事を選んで提供する。
 「チェスを指す機械」は“情報理論の父”と呼ばれるクロード・シャノンが1950年のサイエンティフィック・アメリカンに寄せた解説記事。もともと数値計算用に開発された大型コンピューターが一種の推論処理に使われ始めた時代だ。シャノンはチェスを指すコンピューターをプログラムする試みを例題として,「機械は思考できるのか」という疑問についても論じている。
 「コンピューターはチェス名人に勝てるか」はその40年後の1990年に本誌に掲載された記事。グランドマスターと互角の勝負ができるコンピューターが登場したころだ。盤面の展開を大型コンピューターで先読みして最善の手を選び出す方式だった。IBMの大型コンピューターが世界一の名人カスパロフを破ったのは,この記事から7年後の1997年だ。
 2016年掲載の「爆発的に進化するディープラーニング」は,深層学習ニューラルネットによる機械学習の開発をリードしたベンジオによる解説。近年のAIの急速な進化はこの技術がもとになっている。チェスより難しいとされる囲碁でAIが名人を打ち破ったのが象徴的だ。
人工知能の歴史と今
日経サイエンス
2016年9月号 / 037ページから