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古代文明の謎を明かしたハイテク考古学( 2021-01-13 )
 昔の文明を探る考古学の研究も,近年は高性能の画像撮影装置や化学分析機器などのおかげで幅が広がってきた。そうしたハイテク考古学の流れに沿った話題をいくつか選んでお届けする。
 「2000年の眠りから覚めたギリシャの計算機」は,紀元前2世紀のギリシャで作られたユニークな機械式計算機「アンティキテラの機械」をめぐる物語だ。ギリシャ南岸の地中海に沈んだ古代の難破船から1901年に発見された精巧な機械で,天文現象の計算に使われていたとみられるものの,詳細は長らく謎だった。著者のチームは最新の撮像装置をつかって装置の構造を解析し,月食や日食の期日と天空上での月の動きを予測する精巧なメカニズムを再現した。
 「エメラルドが古代にたどった道」は,宝石としておなじみのエメラルドに関する考古学研究のストーリー。中世以前のエメラルドの産地や交易ルートには謎が多く,古い書物に記されたエメラルドの産地がどこを指しているのか判然としない例も多い。著者たちは結晶中の酸素同位体を分析して産地を特定する作業に取り組み,エメラルドがたどってきた道の正確な年代記を確立した。
「幻のダマスカス剣を復元する」は,かつてイスラム教徒の国々で作られていた美しく丈夫で優れた鋼の剣「ダマスカス剣」の物語だ。200年ほど前にその製造技術が失われていたが,著者らはその復元を試みた。オリジナルの剣と同じ原料を作ることから始め,模様から化学組成,微視的構造まで忠実に再現した。

【収録記事】
2010年3月号「2000年の眠りから覚めたギリシャの計算機」
2001年5月号「エメラルドが古代にたどった道」
2001年4月号「幻のダマスカス剣を復元する


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古代文明の謎を明かしたハイテク考古学
日経サイエンス
2021年1月号 / 101ページから